奇跡 〜ＬｏｖｅＰｉｅｃｅ〜

混乱が収まらないあたしはとにかく走った。

ふと気づいて足を止めた。バスの定期券、投げつけちゃった…バス乗れないぢゃん!!!
電車の定期も…
あ！！！
学生証もあのケースの中だ…。
あり得ない…↓

あたしの頬に涙が流れ落ちた。混乱しすぎて、どうしたらィィのか…わからなくて涙が溢れた。

しかも…

「ファーストキス…だったのに。」


最低、最悪、もうやだ。

とにかく帰りたいから、奏絵さんに電話をかけた。


「プルルル…プル」
出た瞬間、
「奏絵さん!奏絵さぁん!」
あたしは奏絵さんの名前を連呼した。


「妃奈!どうしたの!?」


「奏絵さん!お願い。迎え来て〜!!」

あたしは泣きながら言った。

「すぐ行く!!」

言葉通り奏絵さんがすぐ迎えにきてくれた。

あたしは今起きた事を話した。

「学生証どうしよ。」


「もしかしたら、届けてくれるカモ。明日まで様子みよ。ね?」

「うん…でも会いたくない…」


大丈夫!
奏絵さんは笑顔でそう言ってくれた。
その笑顔に少し安心した。
「ぢゃあたしは、仕事に戻るね。ゆっくり休みな。」
そう言って奏絵さんは、仕事に戻って行った。