奇跡 〜LovePiece〜
本当は奏絵さんに、傍にいて欲しかった。
でも…

「もぅ大丈夫!仕事戻ってィィよ。急に呼び出してゴメンなさい。本当ありがとう。」


自分の気持ちとは真逆の事を笑顔で言った。


奏絵さんに心配かけたくなかった…
迷惑をかけちゃダメだと思った…


いつの間にか我慢するのが当たり前になっていたあたし。
強がっている自分が、
素直に気持ちを言えない自分が、
大嫌いだ・・・


無理矢理止めた涙がまた溢れ出した。

止めようとしても、止まらなかった。

あたしはお風呂に入り涙を洗い流した。
上がってすぐ布団に潜り込んだ。

思い出したくないのに、目を閉じるとキスされた事がハッキリと思い出される。

どこぞの誰かも知らない男にファーストキスを奪われるなんて…
あたしって本当男運ないんだ…


また泣きそうになるのを、必死に堪えた。

いつの間にか眠ってしまっていた。



朝…
あんな事があったのに、寝れる自分に関心した…。
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