奇跡 〜LovePiece〜
結城さんの車に乗せられ、家まで送ってもらう。

助手席に座るあたしは、何を話したらィィのかわからず…案の定、沈黙。

混乱しているあたしに、気付いてくれたのか結城さんが話かけてくれた。

「妃奈乃ちゃんは、男の人苦手なの?」


「えッ…!」


「イヤ!なんか廊下で見た時、オドオドしてたから。もしかしたらって思って。」


「あっ…はぃ。」


うまく喋れないあたし…
動け!あたしの口!!

「まぁしょうがないよ。人には苦手なものがあって当たり前♪」


そう言ってくれた結城さんは、さっきの優しい笑顔だった。


「あ…ありがとう!!」


あたしが精一杯の声でそう言うと、クスッて笑って


「どういたしまして!」


あたしに見せてくれた笑顔は、年上には見えない無邪気な笑顔だった。


あたしは、その笑顔に少しドキッとした。
なんだろうこの気持ち…?
家について、車をおりた。

「あの…その結城さん・・」


「祐斗でィィよ。てか祐斗って呼んで♪」


「ぇ…でも」


「俺も妃奈乃って呼ぶから。これならィィっしょ♪」
ィィのか!?


「またな、妃奈乃!」そう言って車を走らせ帰って行った。
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