俺の特別な生徒。
「えっ…」

……まずいっ…。
俺今なんて言った?

鳴瀬、可愛いな…って…。

真剣な顔をして言ってしまった。
…何してんだ…俺…。

「なーんてなっ…」

取り繕うようにして俺はわざとらしく笑う。
それでも鳴瀬は俺の方を見ていた。

「ねぇ、先生はあたしのことどう思ってるの?」

え…。
どう思ってるって…。

「大事な生徒だよ」

俺はそう言うしかなかった。
いや、そう言うべきだったんだ。

俺の中で着々と成長を進めているものを、俺は止めなければいけない。
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