俺の特別な生徒。
「先生って彼女いないんだっけ?」

「あぁ、いないよ」

お前が好きだから彼女なんて作れねぇ。
…とは言えない……。

「頑張ってね~」

「…今は作る気ない」

鳴瀬が好きなのに作れるわけねぇだろ。
あぁ~言いてぇ~。

「そっかぁ」

鳴瀬は本棚を見回していた。
その中から一冊の本を取り出す。

「先生、コレ借りていい?」

それは数学の参考書だった。

「いいけど、読むのか?」

「まぁね」
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