流華の楔
新崎和早がいなくなったと知った時の幹部達の反応は、様々だった。
沖田は無表情のまま広間を出ていった。
藤堂は衝撃を隠しきれず一人絶望し、他の皆も口々に話し出す。
そんな中。
斎藤だけが、土方の前に進み出たのだ。
『彼女の行き先は』
斎藤はそう尋ねた。
彼にしては珍しく、真剣さが垣間見えた気がした。
それほど新崎が心配なのだろうな、とも思った。
少なからず、彼の態度は「特別」を暗示していた。
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