流華の楔
噂、流る
日付は変わり、京の町。
変わらぬ風景と人の流れを眺める和早。
とその隣の沖田。
場所は、甘味処。
異色ともいえる組み合わせなのであるが、町のおなご達には関係ない。
非番のため着流しで済ます和早はもちろんのこと、不思議な魅力が垣間見える沖田への視線があいかわらず物凄い。
人斬り集団にあるまじき人気である。
「……なんですこれ。僕ら、見世物じゃないんですけど」
言いつつ、団子を頬張る沖田。
その気持ちはわからなくもないですね、と和早。
「これじゃあ何のために町まで繰り出したのかわかりませんよ」
「……理由、あったんですね」
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