流華の楔



「話を戻す。何故お前がここにいる」

「ほう……知りたいか? 二十年近く我に興味も示さなかったそなたが」

「いいから話せ」



苛立ちを何とかこらえて冷静に言えば。



「それが目当てよ」

「それ? …、この刀か」



燕尚の見えない視線を受けたのは手元の刀。

長州藩主の家系に受け継がれる大技物である。


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