流華の楔

不吉な予言





「くくく。見えるぞ…かの者、そう、沖田総司という男の未来が。苦しみ、もがき、失意の末にたった独りで死期を迎えるのだ!」


「……っ、それが…私のせいだと?」



沖田の病が、己の……。



「そう取るか否かはそなた次第。長き戦乱の世を経た宝刀の所為でもあり、幾多の命を奪い去ったそなたの所為でもあるやもしれぬ」



そう言った燕尚は強張った和早の懐に入り込み、宝刀を抜き去った。



「焦るでない。そなたが望めばその未来を変えることができようと言っておるのだ。さあどうする」


「………持って行け」


「くっくっく。流石…流石よ。己の命より大事な刀を手放すとは」





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