流華の楔




「新崎様がこの姿になってから、お二人共ずーっとあなた様を見つめてらして…ふふっ、お可愛らしい!」



なるほど。
この一見高貴で実は変わり種な太夫はあれを可愛らしいと取るのか。
物凄い殺気なのに。



「余程珍しかったんでしょうね」

「……えっ? もしかして、気づいてない、とか?」

「殺気なら十分伝わってきてますけど…それ以外に何か?」

「ああっ…何てこと!」



瞬間、太夫が目眩を起こしたような素振りを見せた。

何故に。

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