流華の楔




「いえ、知りません」


「なんだよ! 超期待したじゃんか!」



確信したように「これは」とか言うから。
高く持ち上げられていきなり突き落とされた気分だ。



「あはははっ、すみませんね。頭の片隅にあるような気がしたんですけど。絵がきたなすぎて解読不可能でした」


「うんうん、だよなぁ。汚すぎて……って、コノヤロー!!」



藤堂は決めた。
もう沖田はあてにしない、と。



「……むー」


こうなったら直接新崎に聞くしかないようだ。

家のことをあれこれ尋ねるのは野暮だとは思うが……。



「(ま、行ってみるか…)」



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