さくら ―余命3年の恋―
───そんな普段の何気ない学校生活が、千秋にはない。
中学へ入学する前から入院しているから、そんな1日も送ったことがない。
きっと普通の中学生に憧れることも多いだろう。
「…ねぇ、お姉ちゃん」
「なに?」
「私、お姉ちゃんが羨ましい」
「…えっ?」
「私もお姉ちゃんみたいに自由だったらな…」
窓の外を見つめて、飛び立つ鳥を羨ましそうに眺める千秋。
───そう思う気持ちは充分に分かる。
もし私が千秋なら、毎日が退屈だろう。