さくら ―余命3年の恋―
その顔を見ていると、私まで自然と顔が綻ぶ。
「あっ、そうだ」
そう言うと、横にある棚の引き出しをあけて何やら中身を手で探っている。
「…どうしたの?」
「確か、ここに………
あ、あったあった」
引き出しから取り出したのは、一枚の写真だった。
「それ………」
「うん、そう。あそこの景色」
「綺麗…」
本当に綺麗に撮れた写真だった。
あの桜の景色をそのまま写し出したようで、本当に綺麗。
それは思わず見入ってしまうほど………