さくら ―余命3年の恋―
「…って、ごめんなさい!!
思わず見入っちゃって………」
「あげるよ。この写真」
「えっ?」
「絵のお礼。
綺麗に描いた絵と撮っただけの写真じゃ釣り合わないかもしれないけど」
「そんなことないよ。
…でも、本当にいいの?」
「美桜が欲しいならあげる」
───美桜。
初めて名前を呼ばれた。
その瞬間、心臓が跳ねた。
不覚にもドキドキしてしまう。
「…ありがとう」
「どういたしまして。
部屋まで呼んじゃってごめんね。
見るどころか、絵までもらっちゃって」