運命の人〜先生と私の10年間〜
廊下の柱に寄りかかっているこまっち。

私と一瞬で目が合った。





なんでいるの・・・???



黙ったままこまっちは私のほうへゆっくり歩いてきた。




「桜井・・・・明日のテスト頑張れよ」




「難しい??」





「簡単なわけねーだろう」




「あたし頑張るから、良い点取れたらドライブ連れってって!!」




勇気を出して思い切って言ってみた。





こまっちは表情ひとつ変えず




「いいよ!!だけど卒業してからな!!」




「ほんとに!!!!」





初めて勇気を出して素直に言ってよかったぁ。
すっごく緊張したけど、幸せな気分に一気になった。




「じゃあ、がんばれよ」




そう言って、こまっちはあたしの頭を撫でて廊下を歩き出した。



「こまっち!!!なんでここにいたの??」



わたしは慌てて聞いてみた。




振り向いたこまっちは笑顔で


「サボリーーー!!」




そう言って手を上げて職員室に戻っていった。




よーーーーーし。試験がんばるぞ!!!




こまっち約束だよ。。。。。







このやり取りを誰かに見られていたことは、わたしもこまっちも知らなかった・・・

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