運命の人〜先生と私の10年間〜

別れ

新学期から一週間が過ぎた。


放課後、音楽室に行く途中、奈美が待っていた。

「ちょっといい」




怖い顔をした奈美が近づいてくる。



人の来ない体育館裏へ移動すると奈美は話を始めた。



「いきなり瞬が別れてって言い出して、あんたと付き合い始めたのはなんで??部活も違うのにどう出会うのよ!」



奈美は目に涙を溜めて叫んだ。かなり興奮している。



私はどうしていいのか…


「答えなさいよ!!」



奈美は涙をこぼしながら私の肩をつかんで身体を揺らした。




「私は2年彼と付き合ってきたの。急に入ってきたあんたが許せない。私にはあの人しかいないの。返して!!」




奈美は泣き崩れながら私に言った。


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