運命の人〜先生と私の10年間〜
「進路だろっ。わかってたよ。いってごらん」



こまっちは、下から私を覗き込むように、じっと私の目を見ていた。



「あたし……何か教える仕事。先生になりたいの。でも今から大学受験はかなりキツいし、私にはこれが得意って教科もない。音楽とか体育は好きだけど…私以上はたくさんいるし……そう考えてるとだんだんわからなくなってきて…」



ゆっくり気持ちをこまっちにぶつけた。




こまっちは座り直して


「いいぢゃん!!がんばりなよ!学校の教師だけが先生ぢゃないんだよ。他にも先生はたくさんいるよ。優れてる人しかその道に行っちゃいけないってことはないんだよ!やりたい。やってみようと思うなら、それがお前のスタートラインだ。そこからがんばっていけばいいんだよ」





ふーっとため息をつくこまっち。



私は目をまん丸くしていた。



「まぁったく、お前は何を悩んでるんだよっ」




こまっちは、私の頭に手を乗っけて、私の髪をくしゃくしゃにした。


「悩むのは迷いがあるから。自分の思う道に進んでごらん。それがお前の未来だ。」



今度は真剣に私にそう言った。



「ありがとう…なんか吹っ切れたような気がした。」


「おう。がんばれよ。」



こまっちの言葉は魔法みたいだ。いつも納得できる答えを導いてくれる。

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