年下の悪魔
金属バットなんて触ったこともない。

昔、近所の男の子が持ってたプラスチックのバットを触ったぐらい。

「大丈夫だって!球さえちゃんと見てたら当たるから」

「無理だって~!体にボール当たりそうだもん」

「ベースから出なきゃ大丈夫だって!」

ドアを開け無理矢理私をベースに立たせた。

てか、どのバットを選べばいいの…?

そもそもドアに書いてある硬式とか軟式とかって何?

バッティングセンターに来たいって言ったはいいけど全然わかんないや…。

私はただ涼君のバッティング姿を見たかっただけで…

「行くぞ!」




機械的な声で《PLAY BALL》という、かけ声が聞こえる。

始まる!と思い、気を引き締めた瞬間に


既にボールは私の目の前を通過していた。

あ…、これが世にいうストライクってやつ?

てか、めちゃくちゃ早くない…?

「ちょっと涼君、これ早…うわっ!」

会話する暇もなく次から次へと飛んで来るボール。

「たかだか120キロだぜ?」

120キロが如何程のものか知らないけど

全然ボールが見えなくて、バットを振ってもボールに掠りもしない。

と、言うかバットを振るのが精一杯。
< 184 / 205 >

この作品をシェア

pagetop