年下の悪魔
「ねぇ涼君、私連れて行って欲しいところがあるんだけど―――――――」
高速道路を下り、私の家とは逆方向へ車を走らせ、着いた場所は
カキーンッ
「涼君、すごーいっ」
網のようなフェンス越しに涼君のバッティングに思わず叫んでしまった。
連れて来てもらったのはバッティングセンター。
「あっちー。海水浴帰りに来るもんじゃねぇよ…」
「いいのっ!前に'涼君は野球少年だった'ってお店の人に聞いたんだもん!涼君のバッティング姿見たかったの!」
「もう何年もやってねぇからホームランなんか打てねぇよ!」
「ホームランなんか期待してないよ!バッティング姿だけ!」
「お前な~…」
私は野球なんてそんなに知らない。
そもそもルールから知らない。
ややこしいルールのゲームは苦手。
でも
「このっ…」
思いっ切りバットを振る涼君が、凄くかっこよく見えた。
あんな遠くにまでボールを打ち返せるなんて…
「男の子なんだな」っと改めて実感した。
「あ、お前もやってみる?」
「えっ!?や、無理無理!私、野球なんてした事ないもん!」