年下の悪魔
あれやこれやと考えてると

意外な場所に車を止めた。

「ん?ここどこ?」

「俺の会社の駐車場です」


は?
駐車場?

駐車場の1番奥に車を止め、エンジンを切った。

見ると大きな工場が目の前にある。

近くにはコンビニが1件。

「この工場が職場?」

「俺の職場はもうちょっと先です。こっからだと見えませんけど。この工場はうちとは関係ありませんよ」

周りを見ると駐車場を囲むようにフェンスが貼ってあり

フェンスの向こうはただの原っぱ。

その工場の他にいろんな会社がある。

お洒落な言い方をすればオフィス街ってところ。

さすがに夜となっては誰もいない。

私達の他に車も止まってないし、目の前にある道路にも車はない。

人っ子1人歩いてない。

みんな帰って今頃晩酌タイムなんだろうな。

まぁ、ここならゆっくり会話を楽しめる。

「誰もいないね。でも夜勤の人ぐらい――――――」



背中がゾクッとした。

この感じ、知ってる。

何回か経験した。

あの悪魔だけが持ってる雰囲気だ。



恐くて運転席側が見れない。

「涼、君…。ここじゃなくて別のとこ…」



「ゆいさん、甘いですよ…」





















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