年下の悪魔
「あ…ありがとう。お金…」

鞄から財布を取り出そうとすると涼君に止められた。

いつもなら押し問答が続くんだけど、夜景の美しさと怠さで声も出ない。

けど気のせいか人が少ないなぁ。

もしかして隠れスポットだから?

木に邪魔されず一望出来るいい場所なのに。

「人少ないね」

「2時間前ぐらいにはもっといましたよ。みんな帰ったんじゃないですか?」

ん?2時間?

車内のデジタル時計を見ると、もうすぐ9時。

えっ!?

ちょっと待って。

涼君と合流したのが6時ぐらいで、ここまでの交通時間は約1時間ぐらい。

「ゆいさん、ずっと寝てましたもん。ここに着いたのは7時ぐらいです。10時にはこの山道のドライブウェイが閉まっちゃうんで起こしましたけど…」


私、2時間も寝てたの?


この悪魔の横で?


恥ずかしいような、情けないような…

でも、まさかこの子

私が起きるまで、2時間も待ってくれてたの?


「お、起こせばよかったじゃない!」

「あんまり気持ち良く寝てたんで」

「でも…退屈だったでしょ?」



「ゆいさんの寝顔見てたんで別に。それに、そんだけ安心し切ってくれてるなら嬉しいですよ」






なっ…!
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