ゴリラな彼氏とゴージャスな彼女
サクサクでジューシーな鳥の竜田揚げ。


タコとカニの形の可愛いウインナー。


鮮やかな黄色の甘い卵焼き。


それから、ニンジンとゴボウのきんぴら。


ご飯にはとりそぼろがのっていて、白いご飯に味が染みてる。


全部美味しい。


すごいな剛は。


お弁当から、目線を上げれば、剛の笑顔。


親に捨てられた、ゴリラのぬいぐるみ『ゴリ吉』。


また私の『ゴリ吉』に会える日が来るなんて。


私の『ゴリ吉』の剛。


もう私から離れないでね。

ニコニコしている『ゴリ吉』。


ふふ、楽しい、さらにお弁当が美味しくなる。


ずっと、ニコニコしていて食べない『ゴリ吉』。


なんで?


昨日みたいに、食べさせてもらいたいのかな?


昨日は、なんだか、小さい頃のおままごとを思い出した。


友達がいなかった私のままごと相手は、いつも『ゴリ吉』。


昨日、剛に食べさせた時、あんなに楽しかったのは、おままごとが現実になったみたい感じたから。


今日もやっていいのかな?

「ねぇ、お弁当箱。」


私は右手を前に出した。
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