ゴリラな彼氏とゴージャスな彼女
「美味しそう。」


僕からのお弁当をあけて、うれしそうな麗。


僕までうれしくなるよ。


今日の中庭は静かだ。


聞こえるのは、ヒソヒソ声。


とぎれどきれに声が僕に届いて来る。



「なにあれ?」


「蝶野さんとゴリって知り合い?」


「ゴリのくせに。」


「ありえない。」



うん、悲しいぐらい予想通りだ。



「剛、いただきます。」


きちんと『いただきます』をする麗が可愛い。


「卵焼き甘くしたんだけど、どうかな?
違う味の方がいい?」


どうだろ?


麗の気に入る味ならいいんだけど。


麗の口に入る卵焼き。


赤いプルンとした唇が動く。


あぁ、僕卵焼きになりたい。


「すごく美味しい。」


そんなに可愛い顔をさせてるのが、卵焼きだと思うと、来世は卵焼きになりたいと本気で考えてしまう。


今日麗に会ってから、ずっと可愛いしかない。


美人で可愛い麗。


性格もすごくいい麗。


まさか、自分が麗とお弁当食べる日がくるなんて。


今までの女性に縁のない、嫌われた日々が、今日のためにあったような気さえしてくる。
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