RUN&GUN
「おいおい与一ぃ。何緊張してるんだよ。言葉遣いまで変わってんぜ」

「ああ・・・・・・。いや、見慣れた彩じゃ、ねぇからさ・・・・・・」

ははは、と笑って誤魔化し、ぽんと背中を叩くと、藍は再びにこりと笑い、ごそごそと元座っていたお蓉の横に戻ると、横に置いてあった小さな包みを取った。

「お魚よぅ。焼き魚なんて、随分食べてないでしょ?」

やっといつもの藍に戻って、包みの中から出したものを、両手で与一の顔の前に差し出す。

「・・・・・・俺には、握り飯に見えるんだが」

眼前に突き出された、藍の手に持たれているからか、やけに大きな握り飯をまじまじと見つめ言う与一に、藍はぐいっと顔を近づけた。
藍の唇が、与一の頬につくほど顔を近づけ、さらにぐっと声を潜めて囁く。

「から公に運んでもらおうと思ったんだけど」

がちゃん、という音に振り返ると、顔面蒼白な朔太郎が、お茶をこぼしていた。

「何やってるんだよ。全く」

三郎太が言いながら、慌てる朔太郎に歩み寄り、倒れた湯飲みを拾ってやる。
藍は皆の視線が朔太郎に向いた瞬間に、少しだけ顔を離して、手に持った握り飯を、与一の口に近づけた。

「何か、よいっちゃんに会いたくなって」
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