妖艶な月光と甘美なる熱い蜜
わ、あたし、何でこんなにも……
飛来しそうな意識が必死で保たれている。
なんだろ、今すぐ行かなきゃって感じがするの。
馬鹿みたい、でも早く…
ごそごそと自分の足音が聞こえる。
おぼつかない足取り。
ベンチの上にバック置きっぱなしだ、と心で呟いても、その足は止まる事を知らない。
どこ、どこ、どこ――…
早く、早く、早く――…
迷わず進む体は、自分じゃない様に思えた。
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