妖艶な月光と甘美なる熱い蜜
「うあ…気持ち悪いー……」
彼氏に振られて傷心中なのに…今は涙すら出てこない。
自分はこんなにも冷めた性格だったのだろうか。
満月があざ笑うように見据えている気がした。
もう、なんかどっちでもいい。
そんな自分でも振られちゃったことに変わりはないのだから。
それより、あの変な音の原因を探らなくちゃ。
自然とふらふらする体は、甘い蜜に誘われる蝶のように、花に近づいて行こうとした。
今、
この場で…立ち止まっていたら――…