隠れ鬼ごっこ
……

………


…………


少し待つが何も起きない。

拓「なんだよ。何も起きねーじゃん!」


痺れを切らした拓海がそう言って手を離した。


俺も目を開けて、手を離した。


昴「まぁ、当たり前って言えば当たり前だけどなー」

昴もそう言って背伸びをした。


文「あー、残念だったなぁ…」


文太はがっかりしたかの様に呟いた。


怜「所詮、噂なんてそんなもんだろ」


文「まぁねー…」


だいぶ日が傾いてきた。


拓「んじゃ、そろそろ帰るか―…」


俺たちが帰る用意をしてた時だった。


雅「ね…ねぇ…」


雅明の震えた声が聞こえた。


怜「? どうした、雅明」

俺は雅明を見た。


雅明を微かに震えながら足下を見ている。


雅明が影になっていて何を見てるかは分からない。


雅「さ…さっき…ビー玉落とした時…鏡が割れる音…したよね?」


昴「あぁ、そういえば…。割れた破片も片付けねぇとな―…」


雅「ち…違うよ……」


雅明がゆっくりこっちを向いた。


その顔には恐怖が漂っている。


怜「何が違うんだ?」


俺がそう聞くと雅明が少し避けた。


避けると雅明の足元にあったものが見えた。


「!!!」


俺たちはそれを見て驚いた。


なぜなら……


雅「鏡……割れてないよ……」


足元にあった鏡はあんなに派手な音がしたのにも関わらずヒビ1つ入ってなかったからだ。
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