紅の月
彼女はパニックになっていた。




現実をうまく受け入れられず、恐怖と焦りが彼女を余計に混乱させる。




彼女は元いた車に乗り込み、鍵をかけた。




頭を抱え込みながら後部座席の足下に隠れるようにしゃがみ込んだ。



ドンドンドンドン。


ドンドンドンドン。



警察官と女の足音が近付いている。




ドンドンドンドン。

ドンドンドンドン。





とうとう、小刻みに駆ける足音が車の横で聞こえた。
< 14 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop