チャット★ティチャー
俺の予想通り恭介は突きを繰り出してきた。

反応しているが、身体が中々動かない。

恭介の竹刀の先端が勢いよく俺ののど元めがけて飛んできた。

俺は身体と首を少し傾けた。

恭介の突きの軌道をかわしている事がわかった。

『かわせる・・・』

『でもかわしてどうするんだ・・?』

頭の中でいつも繰り返している言葉。

『逃げるな』

『逃げるな』

『逃げるな』

『逃げてたまるかぁぁ』

俺は恭介の突きを紙一重でかわしながら、さらに前に一歩踏み込んだ。

そのままの勢いで恭介の胴目がけて、竹刀を振り下ろした。

道場に俺の竹刀が恭介の胴を打つ音が木霊した。

自分でやったことながら、信じられなかった。

俺が恭介から一本取れるなんて。

自分の竹刀と両手を見つめた。

恭介も俺に一本取られた事がよほど信じられないようで、呆然としている。






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