短編-ワガママな恋。〜始まりのあの日〜



「んじゃ、気をつけろよ。」





昇降口まで着くと、決まって幸正はそう言い。

自転車に跨り帰って行く。






あたしのこと、後ろに乗せたっていーじゃん…。







いつか、後ろに乗ってやるんだから。










生物室を出たのは7時ころ。


地元の駅まで着くと、もう空は真っ暗だった。





暗いのが怖かったあたしの足取りは、自然と早くなっていった。
< 21 / 77 >

この作品をシェア

pagetop