君がいた
あたしと夢は、幸を先頭にして歩いている。
授業中なのだが、廊下人がたくさんいてひそひそと話している。
「まぢ可愛いんだけど」
「あれって、百合ヶ丘の制服だよな?」
「なにしに来たんだろう?」
「幸さんに、近寄りやがって」
などいろいろ言っている。
もちろん、それはあたしと夢の耳に入っている。
「ひそひそ五月蝿いね」
夢は、あたしに聞こえるように小さな声で言った。
その声はあたししか聞こえていなく、夢がニコッと笑ったのをみた人は、顔を赤くしていた。
そして、あたし達は屋上の入口までたどり着いていた。