愛しのエリー【ホラー短編】
「…なぁ、幽霊って信じてたら見えるなんて話聞いたことあるんだけど、
その存在を認識したら、昼間も見えたりって可能性もあるんじゃ…」
悠二の言葉に、紗希はブルっと体が震えた。
思わず、二の腕を抱える。
「あの幽霊が浄化するまで、ずっとこんな不安に付きまとわれるの…?」
紗希はつぶやいた。
「…浄化」
香奈枝はくり返し、何か思いついた顔をした。
「先生、『わたしは悪くない』ってくり返してましたけど、何か知ってるんですか?」
香奈枝はずっと沈黙を貫いている水木先生に聞いた。
その途端、水木先生はその場にしゃがみこむ。