愛しのエリー【ホラー短編】

「…なぁ、幽霊って信じてたら見えるなんて話聞いたことあるんだけど、

その存在を認識したら、昼間も見えたりって可能性もあるんじゃ…」


悠二の言葉に、紗希はブルっと体が震えた。



思わず、二の腕を抱える。



「あの幽霊が浄化するまで、ずっとこんな不安に付きまとわれるの…?」


紗希はつぶやいた。



「…浄化」


香奈枝はくり返し、何か思いついた顔をした。




「先生、『わたしは悪くない』ってくり返してましたけど、何か知ってるんですか?」


香奈枝はずっと沈黙を貫いている水木先生に聞いた。



その途端、水木先生はその場にしゃがみこむ。

< 75 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop