愛しのエリー【ホラー短編】
それを見て、紗希は思わずベンチから立ち上がった。
「せ、先生…!?」
「わたしは悪くない…!
圭子が死んだのは、わたしのせいじゃないわ…!!」
先生は叫ぶように言うと、「わたしは悪くない」と何度も繰り返した。
その様子は何かおかしい。
気でも狂ってしまったかのように見える。
「…先生、あの幽霊と知り合いなのか…?」
紗希はハッとして、航平を見た。
『圭子』という人物が幽霊の女の子のことなら、納得がいく。
先生が高校に通っていた時はセーラー服の制服で、
先生の時にはまだ『愛しのエリー』の七不思議はなかった。
可能性はあるんだ。