みるくきゃんでぃー



「梨沙いいなー!!
響介くんとあんなに話しちゃって!」

愛海が大声で話しかけてくる。

「え、そっ、そーかな。
たいしたことないよ。」

なんて答えてるけど
実際、愛海の声は
あまり届いていない。

ドキドキしすぎていて
頭が回りそう。
いや、
すでに回っているかもしれない。



あたしの右手には
キョースケくんが拾ってくれた
ピアスが握られていた。


「梨沙ばっかズルいよー。
てか、教室早く行こー。」

愛海がちょっといじけている。

「あっ。うん。
早くしないと遅刻だね。行こっか。」



あたしは愛海と一緒に
掲示板の前から離れ
教室へと歩き出した。
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