好きなもんは好き<短>
「ごめんね」
『へ?』
両人差し指を口角にあてて、上へつり上げる。
「えへ、もうやめるから…嫌いにならないでね。
…じゃね」
『おいっ!』
無理矢理上げた口角は、ピクピクして、辛かった。
私は、てっきり天君は私のこと嫌いだとか言うのは照れ隠しで、本当はまんざらでもないのだと思ってた。
「自惚れも大概にしろってね」
私は力なく、はは、と笑う。
でもね、
天君のこと、大好きなんだ。