好きなもんは好き<短>



そうならそうと始めから言えばいいのに。


「照れ屋さんだなぁっ」


『調子乗るなっっ』



「で、どうどう?美味し?」




只黙々と食べて、感想を言ってくれない天君を急かす。





『…ん、普通』


普通!?
のわりには、めっちゃ食べてるじゃん!



「美味しいなら美味しいって言って良いんだよ?」

『なっ!
普通だよ!普通!!なら食べてみろよ!』



天君がクッキーを差し出す。




口の前に差し出されてるってことは、このままいっちゃっていいんだよね…?




いくよ、私いっちゃうからね。



パクっ!


『痛ぇ!』



ふえ?


あ、勢い余って天君の指かじっちゃった。





『ありえねぇ』


「えへ、跡…ついちゃったね」


『エロく言うなぁああ!』



あら…天君真っ赤。

可愛いなぁ、もう。





って…





「このクッキー超美味しいじゃん!」


『今更かよっ!』


< 8 / 23 >

この作品をシェア

pagetop