Genius~守り人~
「っ…」

胸を押さえよろめきながら後退する草火

しかし草火は大戦を整え直しフゥ息をついた。


「まさか千切れちゃうなんて…」

「チッ…」


解放された右手に再びツルが巻きつく。

「危なかったわ。來のお陰ね。」


襟から出た鎖を引き首飾りを取り出す。

トップの枠には二つの小さな傷。


コレが受け止めたからかすり傷で済んだ。



「もういいでしょ?終わりに…」


首飾りから清洋に視線を移した草火の言葉が切れる。



「どうしたの?」

あれだけもがいていた清洋の動きは止まり、草火の持つ首飾りに視線は注がれる。

「清洋くん?」

呼びかけにも反応しない。




「…首飾リ……首飾リ……神ノ首飾リ……見ツケタ………オ前ガ……」


微かに動く口から漏れる言葉


― なっ…神?まさか…コレが…
…あの子本当に…



首飾りを握り締める

視線の先の清洋は微動だにしない。




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