Genius~守り人~
……邪魔をしないで……


來奈めがけ走り来る氷



その姿はこつ然と消えた


炎が揺らぎ風が吹き抜けていく


そして來奈を包む炎の一部が削ぎ落とされた


「ちっ…無理か…」

來奈の後方に立った氷の手に握られた剣が溶けるように消えた

― あの炎を何とかしねぇとな

“水天氷雨<ウォユガ=マナラ>”


針状の氷が混ざった雨が降り注ぐ。


それらは來奈の炎に灼かれ蒸発していったが、確実に炎の威力を削いでいく。


― …なぜ…邪魔をする…


ゆらりと來奈が一歩踏み込んだ瞬間氷は一気に間合いを詰める。


ギイン


鈍い音を立てて交わる刃


鋭い視線が氷に向けられる


「落ち着け、落ち着いて力を抑えろ。」

なだめるように言葉をかける

「…うるさい…………何故…邪魔をする……」


「邪魔…?」


「…私は…草姉の…敵を打つ……打ちたい………………邪魔…するな……」

肩で息をしながら來奈は氷に訴える。

「成る程な。……だがそうさせるわけにはいかない。
俺もアイツに用がある。
ワリィな…」


氷は剣を思い切り振るう。


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