Genius~守り人~
「……」

「……氷!!!!!」


更に怒りを含んだ護の声が降ってくる

茫然としていた氷はその声でシャキッとした。

「畜生-!!」

氷は空を見上げて叫んだがもうどうにもなる訳でもなかった


呆れて何も言葉が出ない護


「そっちに行くから待ってろ。」

沈黙の後、護がそう言って低い隔てに足をかけた時だった。



ドンッ



小さな爆音がしてフィールドの反対側ー瓦礫の山から砂煙が上がった。


砂煙は吹いてきた風に消され、そこには再び炎に身を包んだ來奈の姿があった。







開かれた瞳に映ったモノは清洋を取り逃がし悔しがっていた氷の姿





― あのヤロー逃がしやがった…
許さない…



『…我が力を…』



頭の中でさっきの声が響いた。


來奈は瞼を下ろし呟いた








“朱雀・魂の解放<レル=サムナバレ>”
















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