キミ色ヘブン
中山君と会う事もなく、恵美からも連絡のない夏休みは暇そのものだった。

暇という言葉だけではなくて。本当は寂しくて仕方のない毎日だった。

華やその他の子達から“駅前マック集合ね”ってメールが来ても、どうしても行く気になれなくて。まあ、そのうち一度位は顔を出さなければとは思っているのだけど。

今の私には窓からの風さえウザい。

無気力を全開にしてクーラーを効かせた部屋でレンタルしてきた映画を観る私。

お姉ちゃんが『悩める十代ってトコ?』と私を冷やかすけれど、そんなもんじゃない。

今の私は奈落の底をさらに掘り進めるモグラだ。

毎年、健康的な程度には日焼けしていた肌も、今年はそんなに色づく事なく終わるんだろう。
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