キミ色ヘブン
いつの間にか終わってしまったDVDを眺めて、そしてカタツムリのように床を這い、デッキに手を伸ばしまた新しいDVDを入れる。

“ウォーターボーイズ”というタイトル画面だけで私には眩しくて。

格好悪い男の子が格好悪いのに可愛い。まあ、妻夫木クンの容姿自体は格好悪くないのだけど。

ああ、映画の世界はいいな。これで恋も実るんだよね?青春は順風満帆だね。

そう思った時、視界にお姉ちゃんのしなやかな足。

順調に“女”を思わせる大人への階段を登りつつあるお姉ちゃんの足がそこにあった。

寝転がったまま視線を徐々に上げていく。
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