キミ色ヘブン
「どうでもいいけどさ、俺の製作邪魔しなければ」

先生は答え辛い時、いつもこう言ってくれる。まるで本当に相手の事なんて考えてないみたいに。

でも本当は答えられない『間』を乱暴さの混じった言葉で埋めてくれてるって私は知っている。

「センセ……私の絵。あの絵、まだある?捨ててって言っちゃった絵、まだある?」

準備室の鍵をカチャカチャと指で弄びながら先生はシャラっと言った。

『明日も猛暑』って言うお天気キャスターみたいに、当たり前に。

「捨てた」
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