恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜



「ただいま〜!」



数時間後─
かーくんが帰って来た。



「おかえり、かーくん。」



「…あれ、茉央は?」



いつも出迎えに来るはずの茉央がいないことに、かーくんは不思議そうだ。



「あぁ…向こうでまだ読んでるよ、教科書。」



何が面白いのか、茉央はあれから教科書を離さない。



「へぇぇ…あれ、そんなに気に入っちゃったんだ。」



「うん…そうなの。私がおもちゃ持って行っても見向きもしないし─」



私と話しながら、かーくんは茉央のいるテレビの前まで行き、隣に座った。



「茉央、ただいま。」



「ぱぱ!おっか〜!」



茉央は笑顔をかーくんに向けると、また教科書を見始めた。



「ん〜?茉央は、そんな難しいのが好きなのか…希、茉央天才なんじゃね?」



それはどうかな…?
私は苦笑いを浮かべた。



「そうだ、茉央!お前、パパと同じ先生になるか?」



「ちぇんちぇ〜?」



なんか、話がすごい方向に行っちゃってるけど…










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