恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
『なるほどな…わかった!それ、茉央に貸してやって。』
説明が終わると、かーくんは意外にもあっさりとそう言った。
「え…いいの?」
『いいよ。教科書ならまだ学校にあるし…全然問題ないから、安心しろ。』
茉央の泣き声が聞こえる。
可哀想だから貸してやって。
かーくんはそう言うと、もうすぐ帰るからと付け足して電話を切った。
「…茉央、はい。パパがいいよだって。」
携帯をポケットにしまい、私はまだ泣き続ける茉央に教科書を渡してあげた。
すると茉央はすぐに泣き止み、私から教科書を受け取ると、さっきのように読み始めた。
書いてある内容なんて、全くわかるはずもないのに─