恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
「……38.8。杉田先生、何もここまで頑張らなくても…」
陽翔に連れられてやって来た保健室で、俺は養護の先生に早速体温計を渡された。
そしたら…この様だ。
「藤崎先生。杉田先生のご家族に連絡していただけますか?このまま、午後以降ここにいるのは…おすすめ出来ませんので。」
「はい、わかりました。一真、携帯借りるぞ。」
陽翔はそう言うと、俺の携帯を持って電話をかけ始めた。
「希……」
熱のせいか、薄れる意識の中で、俺は何故か希の名前を口にしていた。
陽翔が電話をしているのを見てると、電話の先で希が俺を心配する様子がはっきりと目に浮かぶ。
ごめん…希。