恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
しばらくして、希から『わかった。気を付けて帰って来てね。』と返信が来た。
「希ちゃん、物分かりいい!助かるよ〜、マジで。」
陽翔は俺の携帯を横から覗き、喜んでいる。
「当たり前だろ?希は、俺の自慢の奥さんなんだからな!」
「うわぁ…また出た。一真の家族自慢!!ったく…いつも飽きねぇよな。」
陽翔は笑ってそう言うと、俺が点検し終わった生徒のノートを手に取る。
「…現代社会??」
「勝手に見るなよ!」
「いいじゃん。へぇ…一真って、日本史だけじゃないんだな。俺もライティングとかあるけど…地歴公民ってさ、結構種類あるだろ?」
そうなんだよな…
俺の専門は日本史だけど、他にも地理や世界史、現代社会に政治経済、倫理…とにかくたくさんある。
今年は日本史以外だと1年の現代社会、3年の政治経済を一部担当している。
今年は今までで一番、授業の担当数が多いんだ。
「こんなに授業多いなら、せめて副担が良かったな…」
「俺も…副担いいなぁ〜。なったことないし…」