恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
俺は約束は守る。
最初に宣言した通り、授業終了時刻の10分前には今日のノルマを達成した。
はぁ…手が痛い。
「杉田!今日の話は?」
クラスの半分くらいが自分勝手に雑談していて、残りは俺の近くまで来て話を聞くのがいつものスタイルだ。
事情を知らない人が見たら、おかしな光景だろうな…
しかもこいつら、なんで俺の家庭話に興味があるんだろうか…?
今時珍しい奴らだ─
「今日?あぁ……学校来る前にな、息子に大泣きされちゃって…正直、学校休んで遊んでやりたかった。」
そんな疑問を抱えながらも、俺は今日の朝の出来事をそいつらに教えた。
「可愛い〜♪息子さん。」
「愛されてんな〜、杉田。」
茉央のことを可愛いと言ってくれるのは、誰だろうと嬉しいもんだ。