秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


さっきのおじさんと同じセリフなのに、比べ物にならないくらい破壊力がある。


でも…あたしをからかってるだけだよね…



そう考えると途端に悲しくなってくる。


綿飴を一口食べると、甘い味が広がった。



そんな気持ちを消すように、先輩の大きな手を握り返してみる。




「先輩、なんであたしにかまってくれるんですか?」

「なんで下屋敷先輩と行かなかったんですか?」



気になってることを聞けない弱虫なあたしは、頭で唱えることしか出来ない。



「先輩、なんで顔文字にハマってるんですか?」

「オレンジジュースが好きだってわかったんですか?」



「先輩……


好きです。」




きっと、これから口に出せない思いを

手のひらから伝えた。





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