秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


「先輩。」


「ん?」



涙がおさまったとき。

あたしは決意していた。



「弱虫はやめます。

…堂々と、先輩の隣にいたいです。」




だから…



「今日、一緒に帰りませんか?」



出来れば、これからも。


あたしの言葉に目を見開いた先輩も、すぐに優しい笑顔に変わった。




「…もちろん、いいよ。
でも無理しないこと。

辛くなったらすぐに言ってね?」




そして、口をワイシャツの袖で拭った先輩に引かれて


唇が重なった。




「…今のは消毒ってことで。

これからは絶対に守るから。」




そう囁く先輩に、あたしも笑った。




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