距離は遠とし。
「こんにちは」
「あっ・・・ツキくん」
久しぶりに見たミミのお母さんのナホさんは少し痩せていた。
「久しぶりね・・・元気にしてた?」
「・・・はい」
嘘。本当は寝不足と栄養不足で何度か倒れて病院に運ばれた。
「今日はどうしたの・・・?」
「・・・ミミの部屋を見たいんです」
「・・・わかった。いいわよ」
ナホさんは居間にいると言って奥に行った。
久しぶりにミミの家の階段を登る。
前まで毎日朝この階段を登ってミミを起こしに行ってたのにな・・・。
ドクン
ドクン
ミミの部屋に近づいていくと心臓が速く動く。
大丈夫・・・。
そう心に唱え、ミミの部屋の前に立つ。
床を見て安心した。
前のように床に血の跡なんてなく、何事もなかったように見える。
「スゥー、ハァー」
深呼吸してドアを開けた。