距離は遠とし。

「こんにちは」


「あっ・・・ツキくん」


久しぶりに見たミミのお母さんのナホさんは少し痩せていた。



「久しぶりね・・・元気にしてた?」


「・・・はい」


嘘。本当は寝不足と栄養不足で何度か倒れて病院に運ばれた。



「今日はどうしたの・・・?」


「・・・ミミの部屋を見たいんです」


「・・・わかった。いいわよ」



ナホさんは居間にいると言って奥に行った。



久しぶりにミミの家の階段を登る。


前まで毎日朝この階段を登ってミミを起こしに行ってたのにな・・・。



ドクン



ドクン




ミミの部屋に近づいていくと心臓が速く動く。



大丈夫・・・。



そう心に唱え、ミミの部屋の前に立つ。



床を見て安心した。


前のように床に血の跡なんてなく、何事もなかったように見える。





「スゥー、ハァー」


深呼吸してドアを開けた。



< 23 / 39 >

この作品をシェア

pagetop